◇副住職の法話ノート(1)◇『Go To お浄土!』

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2020.08.27
◇副住職の法話ノート(1)◇『Go To お浄土!』

今年はコロナウイルスの影響によって明るいニュースや話題が少なく、ついつい気分まで暗くなってしまいがちですが、いつまでもこの状況が続くとは思いません。きっと良くなると信じて、ほんのちょっとでも毎日の生活を明るく楽しく過ごすことを心がけてみてはいかがでしょうか。

私は旅行に行くことが趣味の1つで、「コロナウイルスが落ち着いたら国内旅行に行きたいな、北海道がいいかな、それとも沖縄のほうがいいかな」などとインターネットの旅行サイトや新聞の旅行広告を見て楽しんでいます。

 

 

それでは今回は「お浄土」をテーマにお話をしていきたいと思います。私たち浄土宗において「お浄土」というと阿弥陀如来という仏さまがおつくりになられた西方極楽浄土(以下、極楽浄土)のことです。人間は誰でもこの世に生を受ければ、この世から去る時が必ず来ます。そんな時、1人でも多くの方に極楽浄土へ旅立ってもらうことが私たち浄土宗の僧侶の願いです。

浄土宗で最も大切にしているお経の1つに『阿弥陀経』というお経があり、光運寺でも葬儀や大きな法要でおつとめしています。その『阿弥陀経』には極楽浄土の様子などが説かれていて、「極楽浄土の説明書」と言えばなんとなくイメージしやすいでしょうか。

極楽浄土の様子は、私たちが生きているこの世界から西の方角のはるか遠くにあり、そこで阿弥陀さまが極楽浄土に旅立つことができた人たちに対して、日々仏教の教えを説いています。そして様々な宝石によって飾られた建物や多くの木があり、常に心地よい音楽が奏でられ、心地よい風が吹き、色とりどりの鳥がいて優雅な声でさえずっています。どうでしょうか。わずかでも極楽浄土という世界が素晴らしい世界だと想像していただけましたか。さらに私たちが生きているこの世に存在する苦しみ(生まれてくる苦しみ、老いていく苦しみ、病気になる苦しみ、死んでいく苦しみなど)が極楽浄土にはまったく存在しないので、極楽浄土は仏教の目的である、悟って仏になることを目指す最高の場所と言えます。

では、そんな素晴らしい世界、極楽浄土に行くにはどうすれば良いのでしょうか。結論から先に言いますと、なむあみだぶつ、なむあみだぶつ…とお念仏を称える以外に何も必要ありません。お念仏さえ称えれば阿弥陀さまは人を選ぶことはせず、すべての人を極楽浄土に導いてくださります。極楽浄土を「旅の目的地」に例えるのであれば、お念仏は「パスポート」や「チケット」といったところでしょうか。パスポートやチケットがなくては旅行先に到着することはできません。楽しみな旅行はトラブルが起きないよう誰もが万全の準備をすると思いますが、極楽浄土への旅も日々のお念仏が必ず私たちを導いてくれることでしょう。私もさらに念仏精進をして、道に迷うことのない生涯の旅を送りたいと思います。

合掌